ウズベキスタンのプロフセンターで食す中央アジア版ピラフが激安・激ウマだった件

ウズベキスタン料理、はたまた中央アジアを代表する料理とは何か?と問われれば、真っ先に挙げたいのが、中央アジア版のピラフである「プロフです。

私は中央アジアの料理を食べたいという一心でウズベキスタンに渡航したわけですが、やはり首都タシケントに来たとなればガイドブックには必ず載っている「中央アジアプロフセンター」は外せないと考えていました。

やっと海外旅行にも行けるようになってきた今日この頃、皆さんがウズベキスタンへ旅行する際の食事の参考になればと考え、紹介させていただきます!

そもそもプロフとは何か?

先ずはプロフについて簡単に説明します。

プロフとは中央アジアで広く食べられる炊き込みご飯の一種で、日本でもその名が知られる「ピラフ」と同じ語源を持つものと言われています。

細長米のプロフ

私はこれまでの人生で「ピラフがどこの料理か」ということを考えたことがなく、なんとなくイタリアとかフランスあたりかなーなんて勝手に思ってました。まさかその起源がアジアにあったとは、ピラフを炒飯の洋食版だと思って食べていた学生時代の私の愚かさよ、、、

UMIT
UMIT

改めてWikipediaでピラフを調べてみると、トルコやインド、中東などの辺り発祥の料理ということになってますね…

ピラフ - Wikipedia

ネット上でその分布を調べると、ピラウ(pilav:トルコ)~プロフ(plov:アゼルバイジャン)~ポロウ(پلو:イラン・アフガニスタン)~プラオ(पुलाव:インド、پلاؤ:パキスタン、পোলাও:バングラデシュ)~ポロ(پولو:中国新疆ウイグル自治区)などなど、アジアの広範囲の地域にわたって似たような名前の米料理が流通しているようです。

その起源をネットで調べてみると、ユーラシアの東で生まれたプロフが西へ行って西洋のピラフになったとか、先に西にあったピラフが東に行って今日のプロフになったとか、諸説あるようですが、、、この手の話は不確かなのでそっとしておくことにしましょう!

とにかくプロフは美味い!プロフ最高!!以上!!!

Farsizabon, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

ちなみに、中央アジアではその呼び名はパロウやパラウ(ウズベク語:palovトルクメン語:palaw、カザフ語:палау、タジク語:палав、キルギス語:палоо)などとその呼び方に微妙な地域差があったり、ウズベキスタンやキルギスタンの一部ではアシュと呼ばれたりもするようですが、基本的にはロシア語でこの料理を表すプロフ(Плов)が統一名称になっているようです。

UMIT
UMIT

以前ウズベキスタンで出会った方にプロフとアシュの違いを聞いてみたら「プロフはロシア語でアシュはウズベク語だ」と教えてもらいました。

ちなみにアシュ(ウズベク語:osh、キルギス語:аш、カザフ語:ас、ウイグル語:ئاش ash)というのは所謂「食事」を表す言葉で、これが転じてウズベキスタンやキルギスタンの一部では特定のプロフのことを指すことにもなったのかもしれません。

そういえば、日本でも「ご飯」と言えば炊いた白米のことも指すし食事そのもののことも指すので、同じような感覚なのかもしれませんね。

さらに、日本にいらっしゃるウズベキスタンの方に“アシュ”と“プロフ”の言葉の持つニュアンスの違いを聞いてみたのですが、「“アシュ”の方がよりカジュアルというか、親しい間柄で使うような感じのニュアンス」とおっしゃってました。日本人が食事のことを「ごはん」というか「めし」というか、、、という感覚に近いのでしょうか。

UMIT
UMIT

ちなみに、カザフスタンの方に、ウズベク語の“アシュ(osh)”に相当するカザフ語・“アス(ас)”で所謂プロフのことを表すかどうか聞いてみたところ、表さないとのことでした。

そして、日本ではお米のバター(油)炒めというイメージで語られるピラフですが、中央アジア版ピラフとも言えるプロフは油炒めではなく油焚きです。主に人参、羊肉、レーズン、ひよこ豆などの具材とお米を、水ではなく大量の油に浸して大鍋で炊くという料理で、字面だけ見るとなかなか危険な香りがするというか、我々が常識とおもっていたお米は水で炊くという概念はローカルルールでしかないという事を思い知らされますね…それ故に日本の米料理には無い美味しさが生まれるのかも知れません!

さらに、クミンのためかはたまた羊肉効果か、程よいエスニックな香りは楽しめるものの味付け自体はきつくないため、ガチ中華や東南アジア料理と比較すると日本人の舌に合うと言われるのはそのためかも知れません。

それでは、そんな中央アジアプロフの総本山と言われる?ウズベキスタンの首都タシケントの観光名所、中央アジアプロフセンターについて記載します!

プロフセンターの場所はどこ?

プロフセンターはタシケント市街地中心部の北側にあります。地下鉄のバダムザール駅(Bodomzor)から歩いて15分ほどです。

急いでいるときはタクシー等で行くのも良いですが、徒歩もお勧めです。
駅から車道沿いに直線で歩くだけですし、近くに中央アジア最大の高さを誇るというタシケントタワーが建っているので迷うこともありません。プロフセンターに行く前・行った後の腹ごなしに徒歩で行ってみるのも乙ですよ!

ちなみに、プロフセンター自体もなかなか大きくて立派な建物なのですぐ分かります。それだけでなく、お昼時に行くと観光地みたいに(実際にちょっとした観光地なのですが)沢山の人が押し掛けるので、人の流れに身を任せるとなんとなくたどり着けます。

中央の看板にはOʻrta Osiyo Osh Markazi「中央アジア・アシュ(プロフ)センター」と書いてあります

更に…中に入ると、大量の机と椅子が所狭しと並び、さながら日本の観光地のフードコートの如く人で賑わっている光景に圧倒されます。

日本のような人混みをあまり見ることが無い(バザールのようなガチャガチャしたところはありますが)、ウズベキスタンでは珍しい混雑っぷり。観光客から、地元民・ビジネスマンまで、さまざまな方の昼食処になっているであろう様子がよく分かります。

ウズベキスタン黄金の3点セットを食す

さて、席についてオーダーを取ったら待つこと数分、先にウズベク3点セット(お茶、パン、サラダ)が着弾。ウズベキスタンの地元食堂だと頼まなくても必ずついて来る黄金トリオです。ちなみに、このプロフセンターではこれらは別オーダー制で、料金も分かれています。明朗会計!

このテーブルクロス、日本の100均で全く同じようなものを買った記憶あり

トリオの一角を張るナン(non)はウズベキスタン全国民のマストアイテム。ここプロフセンターのナンはウズベキスタンにしては珍しく(?)日本で食べるパンと同じくらい柔らかくて美味でした。お昼時なのがよかったのか、はたまた観光地だからなのか、、、流石プロフェッショナルさを感じます。

サラダはアチクチュチュクサラダ(achik-chuchuk salati)という、トマトとキュウリと玉ねぎを酢で和えただけの、究極にシンプルなサラダで、お茶はコクチャイ(koʻk choy)と呼ばれるほうじ茶。

この3点セットはウズベキスタンの旅を演出する名脇役(バイプレイヤーズ)なので、多少の料金は目を瞑って頼むべし!と思います!!安いし!!!

意外と脂っこくなくて手堅い味わいの「プロフ全部盛り」

ウズベキスタン黄金の3点セットをつついていると、いよいよ真打、「プロフの全部盛り」登場です!

プロフ(全部盛り)

この「全部盛り」に入っているのは、羊肉、人参、レーズン、ひよこ豆、卵丸ごと1個、うずらの卵1個、そしてカズィ(qazi)と呼ばれる馬肉のソーセージです。普段ラーメン屋などではケチってトッピングを頼まない私ですが、折角ウズベキスタンまで来たということで、リッチに全部盛りを頼んでしまいました!

UMIT
UMIT

メニューは一律ロシア語で書いてあって、私が頼んだスペシャル・プロフは“Особенный плов”、アチクチュチュク・サラダは“Салат(ачичук)”、ナンは“Хлеб”、チャイは“Чай”となってました

味についてはもちろん言うことなし。美味しいことはもちろんなのですが、想像していたよりも油ギッシュではなく、このある種さっぱりした口当たりは、想像よりも食べやすいと思います!
もしかすると、油っぽさは食べる時間帯などに左右されるのかもしれませんが、初めてプロフを食べる人にこそ行って欲しい!そんなお店でした。

価格帯とまとめ

私がプロフセンターに伺った時のだいたいのお値段は下記の通りでした。

  • 全部盛りプロフ 約185円
  • お茶      約10円
  • パン      約10円
  • サラダ     約40円

この豪華すぎるランチ…全部で250円くらい…

街の地元食堂に行けばさらに安いのかもしれませんが、観光地クオリティで安定した味をいただけることや明朗会計であることなど、タシケントにお越しの際は是非「中央アジアプロフセンター」へお立ち寄られることをおススメします!

※当記事の情報は2019年当時のものです。ウズベキスタンソム=円換算は目安です


ちなみに、最寄りの地下鉄駅であるバダムザール駅の構内はなかなかシャレオツで絶好のフォトスポットでした!
(オシャレな空間とは裏腹に、日本の地下鉄とは比較にならないレベルの轟音を立てながら電車が駅構内へ入ってきます)

それではまた!!!!!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました