ウズベキスタン・サマルカンドで食したこってり系プロフが絶品だった件

ウズベキスタンを含む中央アジアの代表料理と言えば「プロフ」です。
プロフとは中央アジア版ピラフとも言える米料理で、地域性が豊かなソウルフード。

私は本場の中央アジア料理が食べたくてウズベキスタンを旅しましたが、その時にサマルカンドで出会った絶品プロフのお店を紹介します。

このお店は観光客というよりは地元の方に親しまれるタイプのようで、英語は全く通じずメニューもありませんでした。
その代わり、地元民御用達の本格絶品プロフ(多分)がいただけたので、サマルカンドを旅行される際の参考にしていただけると嬉しいです。

※当記事の情報は2019年当時のものです。ウズベキスタンソム=円換算は目安です

絶品プロフを食べた食堂の場所はどこ?

最初に断っておくと、この絶品プロフを食べたお店は店名が分かりません
当然、GoogleMapにはお店の情報は載っていませんので、位置情報だけを載せておきます。

レギスタン広場やグーリ・アミール廟などの観光名所がひしめく旧市街の西側に位置する、新市街の路地に佇む名店です。

私は新市街でひと際目立つ巨大スタジアム、ディナモ・スタジアムからほど近いスザニ・ホテルという場所に泊まっていたのですが、このホテルからほど近くの路地に、如何にも地元食堂!という佇まいの飲食店が密集している一角を発見しました。


お昼時だったので、いくつかの店が通りに大鍋を出してプロフを炊いています。強引に日本で例えるならば、オフィス街で居酒屋が密集するエリアのランチタイムのような雰囲気を醸し出していました。

ちなみにウズベキスタンでは、お店ごとの特色をあまり出そうとしないお国柄なのか、パッと見だとどの店も同じものを提供しているように見えて、お店の決め手に欠けます。
どの店も観光客を相手にしていないからか客引きもおらず、どこに入ろうか決めかねながらウロウロしていると、とある店の前にいたおばさんと目が合い、こちらへ手招きをしてきました。
一瞬迷いましたが、入り口の横でおじさんが巨大なプロフ鍋の世話をしているのを確認し意を決して入店。結果から言うと、このお店にして大正解だったのでした・・・。

席に着くと、周りの席含めて店内にメニューが見当たりません。言葉も通じないのでどうすることもできずただただ座っていること数分、すぐに先のおばさんがやってきて何か言ってきたので(一言も分かりませんでした)、とりあえず「オシュ!」(プロフのこと)と言うと…通じました!(多分)

少し経つとおばさんは戻ってきて「Айрон?」と言ってきました。
本格的に何を言われたか分からなかったので、とりあえず「ダー(Да:ロシア語でYes)」を連発。事なきを得ました。(得てない)

UMIT
UMIT

訳も分からずYesを連発するのは時に危険な結末を招くので気を付けましょう…というのは皆さんご存知ですよね

プロフセットと中央アジア式ヨーグルトスープ・アイラン

待つこと数分、念願のサマルカンド式プロフ、ウズベク黄金の3点セット(お茶、パン、サラダ)がやって来ました!

ウズベキスタンの顔とも言えるパンのナン(non)、中央アジア風ほうじ茶のコクチャイ(koʻk choy)、シンプルイズベスト過ぎるアチクチュチュクサラダ(achik-chuchuk salati)の鉄板3点セット+プロフ。

そんななか、見慣れない謎の葉っぱが浮いた白い液体があり、おばさんはその器を指さして「Айрон、Айрон」と言うのを見た私はここで初めて理解しました。注文を取るとき、彼女は私に「アイランは要るか?」と聞いていたのでした。
アイラン(ayron)とは、中国の新疆ウイグル自治区含む中央アジア地域からトルコを経てブルガリアなどの東ヨーロッパ一帯で食されるヨーグルトドリンク(スープ)のこと。
私はかつて日本のトルコ料理屋でアイランを頼んだことがあり、たまたまその存在を知っていたので、実物を見たときに理解することができました。
アイラン自体は地域によって様々なバリエーションがありますが、私がウズベキスタンでいただいたものは、ヨーグルトを水で薄めて、ディルやキュウリを刻んで入れた冷製スープでした。

それにしてもおばさんは何故私にアイランを勧めたんだろう?と不思議に思ったのですが、食事を始めるとその理由はすぐに分かりました。ナンが硬すぎるんです…

中央アジアの食事の要と言っても過言ではないナンですが、そのふくよかな見た目とは裏腹にめちゃくちゃ硬いのです…この硬いナンはアイランやチャイに浸しながらいただくと丁度良い硬さでしたよ。

サマルカンド式プロフは濃厚で病みつきになる味

それにしても、主役はやっぱりプロフ(plov)、ウズベク人的に言うと、アシュ(osh)です。シズル感MAXなビジュアル。

具材は羊肉、中央アジア風の黄色人参、ひよこ豆、うずらの卵です。そして、もやは調味料の一部と言っても良いほどの油。テカテカです。

恐る恐る口に運んでみると…これがまた絶品!
唐辛子があるものの辛さは感じず、ニンニクやクミンも効いててエスニックな感じなのに日本人の味覚にも合う丁度良さ、人参も羊肉も柔らかいし、見た目ほど油も重くなく、最高でした。
思わず、ここにあったのか…最高のプロフは…!!!!と叫びそうになりましたね。

おばさんも、全く言葉が通じない外国人である私に対してめんどくさがることなく笑顔で接してくれて、思いがけない良い体験となりました!

価格帯とまとめ

そろそろお店を出ようか、というタイミングでこのお店にはメニューが無いという驚愕の事実を思い出し、お会計が一体どうなってしまうのか、全く予想がつかないままお会計を迎えました。私が食べたのは…

  • プロフ
  • お茶
  • パン
  • サラダ
  • アイラン

…といったラインナップだったのですが、結論から言うと、全部合わせて140円ほどという超お値打ち価格でした!

料理も美味しいし、お店の雰囲気も良い(ゴチャゴチャしてないというか、飲食店としての清潔感は保たれている)し、食器や内装にウズベキスタン的と言うか、ソ連的と言うか、何とも言えない当時の感じがリアルに残っている印象を受けて、ああ、私は今異国を旅してるんだなーという感じが丁度良く味わえました。

UMIT
UMIT

ちなみにおばさんは笑うと沢山の金歯が口から覗いて、その感じもソ連的だな~なんて思いました(偏見?)

事前にネット上で調べてから行動することが当たり前になっている日本で暮らしていると、グルメサイトに載っていないお店に入るにはなかなか勇気がいりますし、ウズベキスタンのような海外であればなおさらです。

しかし、ガイドブックに頼らず己の直感に任せて入ってみるのも良いものだなあ~なんて思ったのでした。

それでは!!!!

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