ウズベキスタンの串焼き屋で裏メニューの小籠包を食べた時の話

ウズベキスタンを含む中央アジア地域ではシャシリクと呼ばれる串焼き(所謂シシケバブ)が盛んに食べられています。
私がウズベキスタンに滞在していた際にも沢山のシャシリク屋を目にしました。

しかし私はひょんなことから、サマルカンドの新市街に佇む飲食店通りの一角にあるシャシリク屋で、何故かメニューに無い中央アジア版小籠包「マンティ」をいただく機会を得ました。

この記事では、そのお店の場所、お味や価格、その他のエピソードについて記載します!

マンティを食べた場所は?

このお店はウズベキスタンの観光の中心地である、古都サマルカンドの新市街側エリアにありましたが、観光中心地エリアからは多少離れた場所(徒歩30分以上?)となります。
ちなみにGoogleMapには情報は載っていません。

UMIT
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参考までに、サマルカンド駅からタクシーを拾えば10分ほどで到着するようです!

私はこの付近のスザニ・ホテルに宿泊していたこともあり、このお店を利用することになりました。

お店の名前は「ゴールデン・シャシリク」。「黄金の串焼き」という、なかなか縁起の良さそうなネーミングです。

夜20時頃だったのですが、店内にはお客さんの姿はまばらで、実は閉店間際なのでは?と気になりましたが、入店OKということで適当な席へ着席することにしました。

私が経験した限り、ウズベキスタンの食堂では価格表を伴うメニューを置いていないような店がちらほらとある印象ですが、幸いなことにこの店にはメニューがありました。

売り切れていたラグマンと裏メニューのマンティ

店名が「ゴールデン・シャシリク」というくらいなので中央アジア式串焼きであるシャシリク(shashlik)がメインのお店だと思われます。
入り口付近のディスプレイの中に数本の串がありました。

ただ、流石に夜の20時にもなって売れ残っている串がいつから置いてあるものなのか見当つかなかったので、シャシリク屋にもかかわらずシャシリクはパス。

テーブルメニューに目をやると、そこにはウズベキスタン式定番料理(プロフ、ラグマン、サムサなど)だけでなく、ロシアっぽい料理もちらほら。

私はウズベキスタン式スープうどんとも言えるラグマン(lag’mon)をどうしても食べたくて、意気揚々に頼んだところ「売り切れ」との返事が…。

途方に暮れている私を気の毒に思ってか(多分違いますが)、店主と思しき男性が「マンティならあるよ」と私に提案してきました。

マンティ(manti)とは、中央アジア風の小籠包のような食べ物です。
麺料理を食べたいのにマンティを勧めるのは違うでしょとか、そもそもメニューにマンティが載っていないとか、色々と不思議な状況ではありましたが、ウズベキスタンに来たらマンティを絶対食べたいと思っていた私としては願っても無いオファーでした。

念のため、メニューの中にあったロシア式水餃子のペリメニ(пельмени)のことを指しているかどうかを確認して「違う」との回答を得たため、喜び勇んでオーダーしたのでした。

マンティのお味とお値段について

待つこと数分、ついにマンティが着弾です。

日本で食べる餃子や小籠包よりも大きく、こぶし大くらいの大きさの点心が4個。
お皿が白いのでわかりにくいのですが、ロシア式にサワークリーム(スメタナ:сметана)が添えられています。(相性ばっちりです)

表面には謎のタレがかけられており、上からディルを細かく刻んだものがふりかけられていて、如何にも美味しそうなビジュアルといったところ。
そして、いざ実食してみると、これが最高!!!皮は薄めで、中には羊肉と玉ねぎからなる餡がぎっしり。肉汁含めてめっちゃジューシーで最高でした。

気になる価格ですが…
私は2019年に伺ったところ、当時のお値段は日本円にして155円ほどだったと記憶しています。

レギュラーメニューと比較するとほんの少しだけ高めの価格設定か?とも感じましたが(例えば品切れでオーダーできなかったラグマンは1杯110円ほど)、羊肉を贅沢に使用した餡ぎっしりのマンティを4つもいただけたので、適正価格比率であると言えます!

しかし、このマンティが本来メニューには書いていない(=普通のメニューとして提供していない)裏メニューとは、、、恐れ入りました。
意図せずこんな裏メニューをいただけるというハプニングも地元食堂ならではですね!

ウズベキスタンの定食スタイルとオーダー時のアドバイス

なお、マンティは単体ではなく、コクチャイ(ko’k choy)と呼ばれるほうじ茶と、ナン(non)と呼ばれるパンがついてきました。

日本における定食のようなスタイルに当たるんでしょうが、日本人から見ると、点心とパンの組み合わせはいささか不思議ではあります。
お好み焼き&ご飯とか、餃子&ご飯みたいなものと考えると良いのかもしれません。

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何故かフォークがふたつ付いているところもポイントです!

この小籠包的な食べ物(寧ろ大籠包)をスプーンとフォークでいただくスタイルも、日本や中国ではあり得ないスタイルで、アジアとヨーロッパが混ざった異国情緒感を感じます。

なお、マンティの美味しさは上述の通りですが、付け合わせのナンは顎のトレーニングレベルの硬度です。
この時、ナンを軟らかくするためのアイテムが一杯のほうじ茶しかなかったため、なかなかに顎が疲れました。

皆さんも、ウズベキスタンでナンを注文する(もしくは勝手に出てきた)ときには念のために何か浸せるものを用意しましょう!

私もこのお店以外で硬いナンに出会った際は、アイラン(ヨーグルトスープ)だったり、ラグマンのスープだったり、ナンを浸すものを頼むようにしました。

お店のオーナーのおもてなし(?)について

この店はタジク人の店主が営むお店だったのですが、彼が中々気さくな人でした。
私に色々と話しかけて来てくれ、終いには私と相席で一緒に夕食を食べながら1時間ほど話し込むなど、面白い経験をさせてもらいました!

ウズベキスタン滞在中に「キトイ?カレヤ?」(Китай、Xitoy:中国人、Корея、Koreya:韓国人)と質問されることが多く、彼も例によって同じ質問をしてきました。
私が「ヤポーニャ(日本人)」と答えるととても喜んで(もしくは面白がって)相手をしてくれました。

最初は私が食べているテーブルに座って話していたのですが、そのうち自分の分の食事まで持ってきて相席状態に。この人、今日は完全に閉店ガラガラモードですね…
ちなみに彼の夕食は具材が入ったスープとナンの組み合わせで、彼が手慣れた様子でナンをスープに浸して食べるのを見てあの硬いナンはこうやって食べるのか…と目から鱗でした。

どうやら彼は日本人に会うのは初めてとのことですが、珍しい外人を見つけた好奇心だけで私に話したのではなく、多少なりとも日本に興味があったようで、店の奥から分厚くて大きい日本に関する本を持って来て広げて見せたのでした。
中身はロシア語だったので全く分かりませんでしたが、日本の料理本の性格も帯びているようで、あんぱんとか餃子とかについての記述があったことを覚えています。

彼とはGoogle翻訳もあまり使用せず、ジェスチャーと単語による会話がメインだったので大まかな意思疎通しかできませんでしたが、彼の息子の結婚式の写真や動画を見せてもらったり、意外と言葉が途切れることなく楽しい時を過ごすことができました。
翻訳機を使って話し込むより、リアルタイムにボディランゲージで話した方が意外と話が通じて楽しいのかもしれません。

程度の差こそあれ、このように接客の域を超えた面白い経験ができるのも地元食堂の魅力だと思います。
皆さんも、ウズベキスタンに行かれた際には外国人向けのレストランだけではなく、このような地元食堂もトライしてみることをお勧めします!

おまけ(外食難民になりがち)

最後に、私がサマルカンド滞在中に感じた外食事情について記載しておこうと思います。

サマルカンドは旧市街地こそ観光客向けの飲食店が多いのですが、新市街地方面の細路地には地元向けと思しき食堂がちらほらある印象です。

私はこの様子を見て、ご飯処に困らなさそうだなと思っていたのですが、これらの店はお昼時を過ぎると急速に店を畳んでしまうのです。
夜に訪れてもこれらの店は営業しておらず、良い値段がしそうなレストランが所々やっている…という状況になっており、19時~20時という夕食ゴールデンタイムにもかかわらず、店を探して暗い町中を彷徨うことになりました。

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これはランチタイム過ぎにも当てはまるようで、私はお昼ご飯を食べ損ねてしまったが故にランチ難民にもなってしまったことがあります…
(下記はその時の記事です)

サマルカンドでは思わぬ食事難民にならないよう、気を付けて観光を楽しみましょう

それでは!!!!

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