インドだけじゃない!ウズベキスタンで食べるナンの魅力

ウズベキスタンやキルギスタン、中国新疆ウイグル自治区などの中央アジア文化圏において、一番大切な食べ物は何でしょうか?

…答えは、ナンです!

しょうもない回答と思うなかれ、実際にそのように言われているらしいのです。

「ナン」と聞くと、日本人的にはどうしても、インド料理屋で食べる、あのナンを思い浮かべると思います。

OpenCage, CC BY-SA 2.5 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5, via Wikimedia Commons

インド料理屋で食べるナン、柔らかくてバターの風味があって美味しいですよね。
日本では(世界中でも?)すっかりインド料理としての地位を欲しいがままにしているナンですが、実はその起源はイランやアフガニスタンなど、西アジアや中央アジアにあるようです。

と、言うことで、この記事では下記について紹介しようと思います。

  • 中央アジア版「ナン」って、どんなものか?
  • ウズベキスタンで食べた色々な種類のナンたちの紹介とお店の場所等

ちなみに…広い地域で食べられるものなだけに「ナン」「ノン」「ナーン」など、各地で呼び方に若干の違いはありますが、この記事では全て「ナン」で統一して呼ぶようにします。

そもそも中央アジアの「ナン」とはどのようなものか

ナン(ウズベク語:Non、カザフ語・キルギス語:Нан)とは、ずばりパンのことを指します。

日本で「パン」と言ったときの一般的なイメージが食パンなように、中央アジアで「ナン」と言ったときの一般的なイメージは、丸くて、大きくて、表面に模様が刻んであるパンとなるようです。

Zlerman, CC BY-SA 3.0 http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/, via Wikimedia Commons

地域によって個性は色々あるようですが、基本的なところでは下記のような特徴があります。

  • どんな時にでも出てくる。お米料理や麺料理であっても主食として必ずついて来る
  • かなり大きいため、ひとり1枚ではなく複数名でシェアすること多し
  • これでもかというくらい小麦がずっしり詰まっていて食べ応えありすぎ
  • 冷めた時の硬さが凄い

日本だと、パンはあくまでもパンであり、インド料理屋で出てくるもののみを「ナン」呼んでいます。

英語でも、インドのナンは“naan”として、中央アジアのナンは“Tandyr nan”(窯焼きナン)として、それぞれ使い分けているようです。

一方で、中央アジアでは小麦粉で作るパンは基本全て「ナン」であり、インドのナンも、「インド式のナン(パン)」という捉え方なんだと思われます。

ちなみに、カザフ語文献をあたっていたところ、英語と同様に“Наан”(インドのナン)と“Нан”(パン)で使い分けているようなところも見られました。

ところで、インドのナンは日本各地で食べられますが、中央アジアのナンとなると、日本ではなかなかお目に掛かる機会がありません。
そんなこともあり、私は本場のナン食べたすぎて実際にウズベキスタンに行ってきましたので、その時のナン一覧を記載します。

ウズベキスタンで食べたナン達を一挙紹介

1.サマルカンドのバザールで買った巨大ナン

サマルカンドに行ったら必ず立ち寄るべき!な、旧市街の観光エリアの中心にあるシヤブ・バザール(Siyob Bozori)。ここの入り口付近にはたくさんの売り子さんが大量のナンを並べるエリアがあります。

この近くに来ると小麦の良い匂いがするので素通り不可避です。
ということで、私は有名な「サマルカンドナン」と、カラフルな装飾が施されたナンの2枚を購入しました!

上記の写真だと大きさが分かりにくいのですが、直径は25センチほどもあり、厚さもそこそこあり、何よりも中身が異様に詰まっている!ということで持つとかなりずっしり来ます。

2.タシケントのコンビニで買った薄型ナン

首都タシケントにあるミニマーケット、日本でいうところのコンビニのようなところでナンを買ってみました。

果たしてこれは「ナン」のカテゴリに入るのか分かりませんが…パンらしきものは全てナンであるとしてここで紹介します。

ピザ生地のように薄く、パイ生地のような質感があり、所謂ナンと異なる見た目をしていますが、よく見ると模様のようなブツブツがみえます。
これがナンに付けられた模様なのか、それとも製造過程で付いたただの窪みなのかは謎です。

ちなみに、食感ですが、意外や意外、硬いです。ちぎろうとすると、かなりハードで驚かされます。
パイシートやクロワッサンのような質感を期待していたのですが、期待を裏切られました。

しかし、食感はしっとりしていて、ありそうでない不思議な感じ…海外の食べ物は色々と予想外で面白いものですね!

ちなみに一緒に購入したのはヨーグルトドリンクと乾燥チーズです。

ヨーグルトドリンクは日本で購入するものとほぼ一緒ですが、この乾燥チーズは、さけるチーズを極限まで凝縮したような硬さとかなりのしょっぱさを持つ、スルメイカ的な珍味でした。

両方とも、商品にマジックで直接値段が書いてあるのが微笑ましいです。
レシート等が無いので値段は失念してしまいましたが、写真を見る限りは下記のお値段であるようです。

  • ヨーグルトドリンク … 5300ウズベクソム(約55円)
  • 乾燥チーズ … 6500ウズベクソム(約68円)

3.サマルカンドの宿で食べた柔らかナン

サマルカンドの宿泊の際にはお世話になった、超おススメホテルであるスザニ・ホテルの朝食でもナンをいただきました。

通常、ナンは冷めるとこれでもか!というほど硬くなるという特徴を持っているのですが、このナンは日本で食べるパンのような生地をしており、冷めていてもふわふわしていました。

恐らくこれは伝統的なナンではなく、新旧のナンを掛け合わせたハイブリットタイプだと思うのですが、見た目はちゃんとナンですし、こういうものも食べやすくて良いですね。

ちなみにスザニ・ホテルは、ホテルのクオリティ、朝食、コスパなど、色んな面からとてもおススメです。

4.サマルカンドの食堂で食べた硬すぎるナンたち

ウズベキスタンでは何を頼んでもナンが付いてきます。

しかし、その大半は冷めているため、とっっっっても硬いです。おかげで顎のトレーニングになります。

何か浸すものがあれば良いのですが、無いときはコクチャイ(Ko’k Choy)と呼ばれるほうじ茶に浸すことになります。それほど硬いので、ウズベキスタンの食堂に行くときは何か汁物を頼まれることをお勧めします。

5.タシケントのプロフセンターで食べたナン

ウズベキスタンの首都・タシケントに来たら必ず行くべきと言われる、中央アジアのグルメ処・ウズベキスタンが誇るプロフセンター

ここではタシケント風のナンがいただけます。ここでお茶、サラダ、ナンも全て別オーダー制でした。
しかし、別料金を払うだけはあって、柔らかくて暖かいナンがいただけます。

兎にも角にもここはプロフをいただくところではありますが、お茶・サラダ・ナンの黄金3点セットを加えた、ウズベク・フルコースをいただくのがおススメです!

まとめ

いかがでしょうか。今回は中央アジアのナンの紹介と、ウズベキスタンでのナン体験を紹介してきました。

一口に中央アジア式のナンと言っても、土地によって形や味のバリエーションが様々のようで、記事を書いているうちに他のナンも食べてみたくなりますね。また一刻も早く中央アジアへ渡航してナン屋巡りをしたいものです。

ウズベキスタンで見つけたナン売り場(クローズ中)

それでは!!!

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