リトアニアのじゃがいもグルメ達

ヨーロッパの北東、バルト海沿岸に位置するバルト三国のひとつ・リトアニア
中央アジアとバルト三国は共通点が少ないように見えて実は旧ソ連ということで元々同じ国。
というわけで、リトアニアについても少し触れてみようと思いますが、リトアニア料理について思い浮かぶものはあるでしょうか?

実はリトアニアは、日本国内にリトアニア料理専門店が存在しない(多分)ことが不思議なくらい個性的かつ美味し過ぎる料理のオンパレードなのです。
これは、リトアニア料理専門店が国内に沢山オープンすることを願ってリトアニア料理の素晴らしさを語る記事です。

芋餅的じゃがいも団子のツェペリナイ

個人的にはまた食べたいリトアニア料理不動の一位はツェペリナイ(Cepelinai)です。
これはじゃがいも・小麦粉から作られた生地の中にひき肉などを包んだものをボイルした、団子状の料理です。

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ひとつのサイズが大人のこぶし大なのでふたつ食べるとそれだけで夕食が完結します

まさに「いももち」のような食感で、ヨーロッパの料理でこのような食感の料理に巡り合えるとは思っておらず、いももち大好き人間としてはど真ん中グルメです。
基本的に大人のこぶし大のサイズで提供されるようですが、いもが大分ずっしり来るため大人であっても2個食べれば満足できそうです。

生地(皮)の部分がかなり分厚いのですが、芋餅の中にひき肉の餡という料理が美味しくないわけがありません。
さらに、付け合わせのサワークリーム&特性ソース(豚の皮をカリカリに焼いたもの)のお陰で味変ができ、無限にイケてしまいます。

このソース、恐らく豚の皮(脂身?)をニンニクなどとともに焼いていると思われ、カリカリの豚ベーコン&ニンニク風味&脂の香ばしさという、言うならば禁断の調味料でした。
糖質オフとか脂質カットとか、そのような野暮なことは一旦置いておいたうえで楽しみたいグルメです。

ちなみに、焼きツェペリナイというものもありました。

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脂質と糖質の権化のような食事

ツェペリナイを作る時点で一度ボイルしていますが、それを更に油で焼くという工程が加わっているようです。
通常版に比べて油をたっぷり吸いこんでいるという相当にやんちゃすぎるグルメですが、その分とても美味しいです。焼いている分、こちらの方が芋餅に似ているような気がしました。

写真の奥の方に見える小皿はお約束のサワークリーム&豚脂焼きの禁断ソースです。

じゃがいもパンケーキ

一発目のツェペリナイがパンチ強すぎるので、パンケーキ如き(?)では驚かないかも知れませんが、日本では見かけたことがないものとして紹介します。
リトアニアではブルヴィネイ・ブリナイ(Bulviniai blynai)と呼び、定番料理のようです。

宿泊したホテルの朝食バイキングでいただいたじゃがいもパンケーキ(手前)にサワークリームをかけてます
UMIT
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“Bulviniai blynai”は意味もそのまま「じゃがいもパンケーキ」。

以前ロシア料理店でロシア版クレープとして提供されるブリヌイ(блины)を食べたことがありましたが、リトアニア語でパンケーキを表すblynaiも同じ生い立ちがあるのかもしれませんね!

前述のツェペリナイはモッチモチでしたが、こちらのパンケーキは意外とじゃがいものシャキシャキとした食感がありました。
すりおろしたと思われるじゃがいもの歯ごたえが残っていて、これはこれで新しい感覚です。

冷製ピンクスープに付け合わされる蒸かし芋

日本人において若干マイナーなリトアニア料理の中でも代表的な料理と言えば、冷製のピンクスープです。
リトアニア語で冷製スープ(ボルシチ)を意味するシャルティ・バルシチャイ(Šalti barščiai)と呼ばれますが、付け合わせはもちろんじゃがいもです。

じゃがいもは、日本に白飯、西欧諸国におけるパン的な立ち位置なのでしょうか?

私の知っている限りのヨーロッパや中央アジアでは、食事の付け合わせは必ずパンでした。
リトアニアの主食はパンじゃなくてじゃがいもなんだ!という驚きがありましたが、実はこれは主菜的な立ち位置で、実は別途パンをオーダーするのが普通なのかどうかは分かりません。

ちなみに主役のピンクスープですが、この色の元は恐らくビーツの赤と、サワークリームもしくはそれに類似する乳製品の白が合わさってできたものと思われますが、それにしても衝撃的な色です。
提供された場所が場所(アメリカとか)だったら絶対に着色料だと信じて疑わなかったかも知れません。

ちなみにお味ですが、乳製品を使っているだけあって濃厚なのに、酸っぱさと冷たさでさらっといただけます。
食感はホワイトシチュー、でもすっぱい、なのにどこか濃厚、という不思議な感覚でした。まあ、一言で表すと美味しかったです。

ちなみに冷製スープということで夏季限定メニューとしているところもあるらしいです。冬に行かれる方は気を付けましょう。

ベイクドポークに付け合わされるマッシュポテト

じゃがいもばかり食べててあまりお肉を食べてないなと思い豚肉を注文したところ、とんでもない量のじゃがいもに包まれて登場しました。
この豚肉自体も割とちゃんとした量なのですが、その周りに敷き詰められたマッシュポテト、一体何個のじゃがいもを使っているんでしょう。

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このマッシュポテト食べ続けると太るんだろうなあという味(美味)

ちなみにこのマッシュポテト、チーズが沢山入っていて無限に食べられるんじゃないかと思うくらいの美味しさ。
流石じゃがいもに拘りのある国はマッシュポテトまで飽きさせません。

主役であるはずの豚肉よりもマッシュポテトの食レポが先になってしまいましたが、ほんのり燻製味のする豚肉も当然ながら美味。
かなり柔らかくて最高でした!



日本に住んでいるとじゃがいもはあくまでもおかずのひとつという位置づけですが、リトアニアではれっきとした主役。

リトアニアに行かれた際にはじゃがいもの可能性を全身で浴びまくってください!!

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