突然ですが、私は海外旅行で一番大事にしていることは、食事です。
海外ともなれば、一生で二度と行かない場所が多いと予想されるので、食事はとても貴重な体験であり、一食たりとも無駄にしたくない!という気持ちを理解してくれる方、多いのではないかと信じています。
私は中央アジアのウズベキスタンに行った際、まさにこの食事に関するトラブルに遭遇しましたので、その顛末を皆さんにシェアしたいと思います。
タイトルで既にネタバレしてますが、プロフが食べたかったのにピロシキが出てきたという話です。
そもそもプロフとはなんぞや?という方はこちらをどうぞ!
たかが一杯のプロフ、されどプロフ。今回の記事ではその顛末を記載しますので、皆さんがウズベキスタンに行かれる際に同じ轍を踏まないように、これを見て参考にしていただければと思います!
当時の状況
事件当日の私はとにかくサマルカンド中を大移動していました…。
サマルカンドの隠れ・映えスポットであるイシュラトハナ廟(観光の中心地・レギスタン広場から車で10分ほど、徒歩にして3~40分ほど南に位置する)を巡っていたら13時になってしまい、とにかくお昼ご飯を食べたくて、とても焦っていました。
当日の私は新市街方面(廟の西方)からイシュラトハナ廟に向かったのですが、その道中で沢山のオシュハナ(oshxona:食堂)やチャイハナ(choyxona:喫茶店)があり、それらに地元民が集っている様子を見ていました。そこで私は、行きとは異なるルートを通ってレギスタン広場方面へ北上し、その道中にあるであろう食堂に適当に入る計画を立てたのでした。
しかしながら、私は程なくしてこの考えを後悔することになりました。
何故かというと、開いている食堂が全く見当たらないのです。
真偽のほどは分かりませんが、もしかするとこちらの地元食堂は13時を回ると急速に店じまいをせてしまうのかもしれません。
見当たる店はコンビニのような個人商店のみで、食料は手に入るものの、流石にそこらへんで買ったパンなどを食べ歩きながらウロウロする謎の外人にはなりたくないという思いから、意地でも食堂を探して突き進むことに。
しかし、歩けど歩けど食堂が見つからずに時間ばかりが過ぎていき、もう今日のお昼は無理かも…という諦めモードに。
長時間の徒歩移動から疲労感も大分増してきており、無意識的に「プロフ…プロフ…」と呟きながら歩いていました。
これもこれで謎の外人ですね
もうコンビニ的な店でなんか買ってしまおうか…そんなことを思い始めた時、何気なくあたりを見渡していたところ、ついに食堂らしきものを発見しました!!!!
名も無き地元食堂について
そのお店は例によって名前の無い地元食堂と言った佇まいでした。
当時の私は歩き回りすぎていてこの場所の位置関係は分からなかったのですが、意外にも、観光の中心地であるレギスタン広場から徒歩で10分弱という好立地だったことが後に発覚しました。
正直、外国人がふらっと立ち寄るには若干敷居の高い雰囲気ではありましたが、今を逃したらもうお昼ご飯にありつけないのでは?という恐怖や疲労感、何よりも看板にデカデカと「オシュ パラウ(ОШ ПАЛОВ = プロフのこと?)」と書いてあったことが決め手となり、意を決して飛び込んだのでした。
お店の中はこじんまりとしたつくりで、厨房などの別室があるようには見えず、レジの奥でおばちゃんがひっきりなしに油で何かを揚げているようでした。
私は直感で、「これはもしかしてプロフ無いのかも?」と感じつつも、流石にそんなに広くもない店内に踏み入れてしまった手前、踵を返して退場!という訳にもいきません。
一応探りを入れる目的でおばちゃんにシンプルに「オシュ?」と聞いてみました。
するとおばちゃんは…私を一瞥し、「オシュね」とばかりに頷いたのです。
なあんだ、オシュあるんだ!と安心し、飲み物としてチャイ(お茶)を頼み、席につくことにしました。なんだかんだありながら、やっとプロフにありつける!そう信じていたのでした…
「オシュ(osh)」という言葉の定義を思い知る
待つこと数分、ついにプロフが着弾!
…と思いきや、おばちゃんが置いたのは謎の揚げパンでした。
「これはオーダーミスかな?」「確かにこの厨房じゃプロフは出せないよな…」「私は貴重な旅先の一食を無駄にしてしまったのか?」「というかこれは何?」などと、色々な思いが交錯して一瞬思考停止状態に陥ってしまいました…。
が、出されたものはつべこべ言わずに有難くいただくのが旅人の定めです。別に変なものを出されているわけではないし(寧ろ、個人的には揚げパンは好きな部類です)、実食することにしました。
結論から言うと、コレはまごうことなき揚げパンでした!特徴はこんな感じです。
- 基本揚げパンだが中にひき肉がほんの少しだけ入っている(本っ当にちょびっと!)
- 日本の揚げパンやカレーパンに比べると油が凄くて重たい
- 赤い液体の味はトマトジュース。かけると心なしかサッパリする(気がする)
ちなみに、一緒に頼んだお茶はコクチャイ(ko’k choy)という緑茶やほうじ茶タイプのお茶だったのですが、中には致死量の砂糖が入っていて、とにかく甘ったるかったです。
カップの底に砂糖の層ができていたくらいで、砂糖を飲み切れませんでした!
その日はとにかく歩き続けたのでとても喉が渇いており、思わずお茶をおかわりしてしまいましたが、結果的には飲めば飲むほど喉が渇くという地獄のような飲み物でした…
食べながら私は、何故あの時おばちゃんはオシュがあるというような返答をしたのだろうか?と考えていました。そして、ある考えに至ったのです。
ウズベキスタンではプロフの画像とともにオシュ(osh/oш)と書かれた看板をよく目にします。
私はそれを見て、プロフ=オシュという1対1の対訳として捉えていましたが、もしかするとそうではなかったのかもしれません。
というのも、街中には「オシュハナ(oshxona=食堂)」と呼ばれる店が沢山ありましたが、これは必ずしもプロフ屋さんという訳ではなく、食事全般を指す食事処という扱いのようです。
考えてみると、日本でも「ご飯」と言うと、白米を指すときと食事全般を指すときがあります。ウズベキスタンでも同様の考えなのかもしれません。
すると、入店時に私が言った言葉は「(何でもいいから)食事をとりたいです」と解釈されたんだろうか?と一人で勝手に納得したのでした。
顛末と教訓
そんなこんなで納得し、お腹も(油と砂糖で)いっぱいになったところでお店を出ると、ひとつの疑問が沸き上がってきました。
そもそもお店の入り口にプロフやらラグマンやらの写真あったよね?と…
そう思いながらお店の方を振り返ると、衝撃的な事実が発覚したのです。
なんと、お店のドアにはちゃっかりとこのお店の提供するメニューであろう、「ピロシキ(Пирожки)」の文字が…
ここってそもそも軽食しか提供してなかったの!?という衝撃と、あれってピロシキだったの!?という二重の衝撃が…
流石にこれは反則だよ…と思いつつ、日本の感覚とは異なり、簡単に意思の疎通ができない海外だからこそ、事前の確認の大切さを痛感させられました。
それと同時に、ちょっとしたトラブルであれば旅の醍醐味と捉えて楽しめるくらいの心の余裕も大切ですね!
私の場合は、プロフは食べられなかったものの、ガイドブックに載ってない謎の地元メシ(ピロシキ)を食べることができたと捉えることもでき、結果オーライだったのでは!?と思っています。
皆さんも旅先でのグルメ探しでは、できる限りの事前確認と、その上での想定外事象を笑う心の余裕、この両方を備えていけると良いですね!
ちなみに…この日は観光&プロフ探しのためにひたすら歩いた一日で、後日スマホの万歩計を見返したところ、この1日で20km以上も歩いていたのでした…
下記に当時のルートに近いものを示してみましたが、少しやり過ぎましたね…。
私はもともと散歩が好きだったのですが、それにしても歩き過ぎました…
皆さんも歩き過ぎには注意してください!それでは!!!
コメント