ウズベキスタンで地下鉄に乗ってみた話

皆さんは、日々の生活で地下鉄に乗りますか?

東京含む東西の首都圏では地上の電車と同じくらいメジャーな乗り物・地下鉄ですが、意外にも地下鉄がある都道府県は47都道府県中12都道府県と、4分の1に留まるようです。
意外とレアな乗り物なんですね。

https://kogusoku.com/archives/54639

東京の地下を縫うように張り巡らされているメトロの乗り鉄旅も良いものかも知れませんが、私はウズベキスタンで地下鉄に乗る機会がありましたので、現地における地下鉄の概要や当時(2019年)の利用方法等を記載します。

中央アジアで地下鉄がある都市はどこ?

そもそも、地下鉄大国と(勝手に)思っていた日本ですら、全都道府県の4分の1にしか配置されていない地下鉄です。中央アジアではどの程度メジャーなのか調べてみました。

2021年現在、開通しているのはウズベキスタンの首都タシケントと、カザフスタンの最大都市アルマティの2都市に存在するそうです。

ウズベキスタンのタシケントにある地下鉄はソ連時代の1977年に第1号線が開通し、1984年に第2号線が開通。
その後ウズベキスタン独立を経て2001年に第3号線、コロナ渦の中の2020年に第4号線の開通を経て、現在は4路線体制のようです。

Sergey Kivenko (rus. Сергей Кивенко), CC BY 2.5, via Wikimedia Commons

一方のカザフスタンは、ソ連末期の88年に建設が開始されたものの、カザフスタン独立を経て計画が停滞。
大分後になった2011年に開通したようで、今のところは全1路線。

Almaty-Metro-Streckenplan_(Linie1).png: A.Burgermeister *SVG work: Pechristener, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

タシケントもアルマティも、路線の延伸や新路線の開通を計画しており、日々進行中です。次に行くときは、地下世界が大分発展しているこのでしょう。

なお、カザフスタンでは首都ヌルスルタンにも地下鉄を建設する計画があるようで、実際に着工まで始めていたようですが、なんでもこの計画を請け負っている中国の会社が破綻(?)したようで、こちらの完成は神のみぞ知る状態となっています。

ウズベキスタン地下鉄の一般情報について

ここからはウズベキスタン地下鉄の一般情報について記載していきましょう。
私はタシケント滞在中、ミナールホテルという、地下鉄駅ミナール(Minor)から徒歩10分ほどのホテルに滞在していたこともあり、この駅からタシケントの街歩きをスタートしたものです。

そんなタシケントの地下鉄は、中心部の色んな所をカバーしており、本数も比較的多く使い勝手が良いです。
ただし、日本の地下鉄と比較すると少し異なる部分もありますので、一般情報について記載していきます。

とにかく深い

タシケントの地下鉄はとにかくエスカレーターで深く潜っていく印象があります。
駅によって差があるものの、深い駅では深度25メートルほどもあるようです。

これはソ連の地下鉄あるあるらしいのですが、有事の際に地下鉄を防空壕として利用できるような設計としていたためのようです。

とは言いつつも、日本一深いと言われる都営大江戸線の六本木駅の深度は40メートル以上あるとのことです。
流石にそれに比べると分が悪いかもしれませんが、「とにかく地底に潜っている感」については、ひたすら一直線に伸びる高速エスカレーターでぐんぐん下がっていくタシケントの地下鉄に軍配が上がります。

UMIT
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地下鉄六本木駅は少し下って少し歩いてを繰り返す印象があるんですよね

荘厳すぎる内装(2018年までは撮影禁止)

こちらもどうやらソ連あるあるのようですが、駅の内装が豪華すぎます。
簡素と言うか、普通の駅に慣れている我々日本人からすると、こんな凝らなくても良いのでは?と思ってしまいがちですが、あちらの感性では地下鉄の駅こそ芸術的な英知を集結させるに相応しい場所なのかも知れません。

どの駅も趣向を凝らしていて非常に美しいのですが、これまた旧ソ連のなんちゃらで、かつては地下鉄駅構内の撮影は禁止されていました。
2018年になってやっと撮影が解禁され、ネット上にウズベキスタンの美しい鉄道駅の写真が溢れるようになっています。

UMIT
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2018年って…めちゃ最近やん…

切符ではなくコインのようなトークンを使う

タシケント地下鉄では、日本のような紙の切符は使用せず、プラスチック製のコインのような切符を使います。
ウズベク語(英語やロシア語でも)でジェトン(jeton)と言いますが、使いまわしができるのである意味エコですね。

2019年時点では、日本におけるSuicaやPASMOなど、チャージ式のICカードのような物はありませんでした。
が、現地情報を伝えるブログなどを読むと、QRコード入場やICカードの導入などが着々と進んでいるようです。

ちなみに、このジェトンの代金は1400スム、およそ15円と激安です。
ジェトンは改札に入るときの鍵のような物であり改札から出るときには何もいりませんので、始点から終点まで乗っても15円固定です。やっすいです。

UMIT
UMIT

ウズベキスタンの物価が日本よりも大分安いことを差し引いても安いと思います。というか、日本の交通料金が高すぎなのか?

人情味を感じることができる(個人的な体験談)

地下鉄とは直接関係ありませんが、私はこのジェトン料金を負けてもらったことがあります。

窓口で職員から直接購入するのですが、私の手持ちが1000スム札×1と100スムコイン×3という、1400スムにあと一歩で届かない状況の時がありました。

私が一度出した1300スムを引っ込めて5000スム札を取り出したところ、1300スムだけで良いよとジェトンを渡してくれました。

個人商店ならまだしも、地下鉄のような公共性のあるサービスで料金調節して良いのかどうか若干気になりましたが、ご厚意を有難く受け取るとともに、旧ソ連のお役所的な負のイメージが少し払しょくされた出来事でした。

ちなみに、地下鉄の中で若者が老人(中年?)に席を譲っている現場にも遭遇しました。
日本とは少し違うな、と感じたのは、譲る方も譲られる方も当然の出来事といった感じで、特にお礼もなく平然としていたように見えました。

良い悪いとかではなく、違う文化なんだなあと思いました。

おわりに

いかがでしたでしょうか。中央アジアの地下鉄事情と、ウズベキスタンは首都タシケントの地下鉄に乗ってみた感想のような物をつらつらと記載してみました。

私が2019年に現地に行った際には真新しい車両の試運転が行われている現場に遭遇しました。

その際は3路線しかなかった地下鉄網も、現在は4路線に増えています。
当時はジェトンを現金で毎回購入しなければいけなかったところが、現在はQRリーダーやICカードが導入されているようです。
上記画像の新車体も今では現役で走り回っていることでしょう。

ほんの数年前に体験した上記情報も古くなってしまっているぐらい急ピッチで都市開発が進められているタシケント、コロナ明けに訪れた際にはどんな顔になっているのか、今から楽しみですね!

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